1. はじめに
JAPHICマークを取得しようと考えたときに、多くの企業がまず気にするのが「どのくらい時間がかかるのか」「具体的に何をすればいいのか」という点です。
費用と同じくらい重要なのがスケジュール感の把握です。流れを理解しておくことで、社内での準備をスムーズに進められ、審査に余計な時間を取られることも避けられます。
2. 全体の流れ(概要)
JAPHICマーク取得は、大きく分けて次のステップで進みます。
- 事前準備(社内体制や規程類の整備)
- 申請書提出(協会への申請)
- 審査(書類確認・必要に応じてヒアリング)
- 是正対応(不備があれば修正)
- 認証書発行・マーク利用開始
この流れはPマークやISMSに比べてシンプルで、特に中小企業にとって取り組みやすい仕組みになっています。
3. ステップごとの詳細
ステップ1:事前準備
まずは社内でのルールや体制を整えるところから始まります。
- 個人情報の取扱い規程やマニュアルの整備
- 担当者の決定
- 社員教育の実施(eラーニングや研修資料などで代用可)
この段階での準備が不十分だと、その後の審査で指摘が相次ぎ、結果的に時間が延びてしまいます。
ステップ2:申請書提出
協会に対して申請書を提出します。必要な添付資料として、社内規程やフロー図、個人情報台帳などが求められます。
書類の記載漏れや不備があると差し戻しとなり、1〜2週間はロスになってしまうため、事前チェックが重要です。
ステップ3:審査
提出された書類をもとに、協会の審査員が内容を確認します。
基本は書面審査ですが、場合によっては担当者へのヒアリングやリモートでの確認が行われます。
ここで不明点が多いとやり取りが増え、全体の期間が長引く原因になります。
ステップ4:是正対応
審査で「この部分を改善してください」という指摘があった場合、社内ルールや書類を修正して再提出します。
この段階を短く済ませられるかどうかは、事前準備と初回提出時の精度にかかっています。
ステップ5:認証書発行・マーク利用開始
是正対応が完了すると、認証書が発行されます。
以後、名刺やWebサイト、パンフレットなどにJAPHICマークを掲示できるようになり、取引先や顧客に対して「個人情報を適切に扱っている会社」であることを示すことができます。
4. 期間の目安(最短スケジュール例)
JAPHICマーク取得にかかる期間は、企業の準備状況によって大きく変わります。
- 社内準備:1〜2か月
- 申請〜審査〜是正対応:1〜2か月
- 合計:通常は4〜6か月程度
ただし、事前準備が整っている場合には、最短3か月ほどでの取得も可能です。
一方で、書類作成や体制整備に時間がかかると半年以上かかるケースも珍しくありません。
5. よくあるつまずき
- 書類の記載不備:申請書や台帳の内容が不十分で差し戻しになる
- 運用と書類の乖離:実際の現場の運用と提出書類が一致していない
- 担当者依存:準備を一人に任せきりで、業務が滞ってしまう
これらは審査で頻出する指摘ポイントです。特に「現場と文書の不一致」はよくある課題で、更新時にも同じ問題でつまずくことがあります。
6. スムーズに進めるための工夫
- スケジュールを逆算して社内周知:提出期限から逆算し、マイルストーンを共有する
- 書類はテンプレートを活用:ゼロから作るよりも効率的
- 外部支援を部分的に活用:必要な部分だけ依頼することで、時間短縮と精度向上につながる
特に中小企業では専任担当者がいないことが多いため、「効率的に準備できる仕組み」を取り入れることが成功のカギになります。
7. まとめ
JAPHICマーク取得は、
- 準備 → 2. 申請 → 3. 審査 → 4. 是正対応 → 5. 認証発行
というシンプルな流れで進みます。
通常は4〜6か月ほどかかりますが、体制が整っていれば最短3か月程度で取得可能です。
流れを理解し、事前に準備を整えておくことで、スムーズに認証を得られるでしょう。
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