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情報漏洩事件簿:リクナビ内定辞退予測データ問題(2019年)


目次

リクナビ内定辞退予測データ問題(2019年)

事件の概要

2019年、就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、学生の就職活動における「内定辞退率」を予測するデータを企業に販売していたことが発覚しました。
対象となった学生は約8,000人分で、本人の同意を得ずに個人データを分析・販売していた点が大きな社会問題となりました。

  • 発覚:2019年7月
  • 対象者:約8,000名の学生
  • 提供先:約40社の企業(大手企業を含む)

プライバシー侵害と職業選択の自由を阻害する懸念が指摘され、新聞・テレビをはじめ幅広いメディアで大きく報じられました。


原因

  • 学生の同意がないまま、行動履歴を基に「内定辞退率」を算出。
  • 個人データの取り扱いに関する社内ガイドラインや監査体制が不十分。
  • 企業ニーズに応えることを優先し、利用者保護の視点が欠けていた。

本来であれば「同意の有無」「目的の明確化」が必須ですが、それが軽視されたことが根本的な問題でした。結果的に「漏洩」というよりも「不適切利用」ですが、情報保護の基本を欠いた重大インシデントです。


企業対応

リクルートキャリアは以下の対応を行いました。

さらに同社は「データ活用の倫理ガイドライン」を整備し、透明性を高める施策を打ち出しました。


影響

  • 学生や保護者の信頼失墜
  • 多くの大学がリクナビへの協力を停止
  • 内定辞退率データを利用した企業側も批判を受ける事態に
  • 個人情報保護委員会による調査・勧告が業界全体に影響

就活市場において「データ活用の在り方」に社会的な注目が集まり、就職情報業界全体が信頼性の確保に迫られることとなりました。


教訓(中小企業への示唆)

  • 個人情報を「目的外利用」することは、漏洩と同等に深刻なリスクを伴う。
  • 本人の同意なしにデータを活用することは、企業の信用を大きく損なう可能性がある。
  • 「企業ニーズ」よりも「利用者保護」を優先する意識が欠かせない。

中小企業にとっても「顧客データの使い方」は重要課題です。たとえ漏洩ではなくても、利用者が不安を抱くようなデータ活用は結果的に信頼を失い、取引や採用にも悪影響を及ぼします。


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